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携帯電話の利用契約が相続により承継されるかについて

質問

亡くなった伯父の携帯電話を解約するために、携帯ショップに行ったところ、「本人がいらっしゃらないと解約できません」と告げられたというツイートが、話題となっています。投稿によると、生前伯父が使用していた携帯電話を解約する必要があったため、家族の中で一番携帯電話に詳しかった投稿者がその手続きをすることになったといいます。携帯ショップには、死亡診断書、戸籍謄本を持っていったそうです。ところが、携帯ショップでは「当店では本人様以外の手続は一切承っていません」と告げられ、解約を断られたというのだ。こうした対応について投稿者は「遺骨でももってこいと?」と理不尽な対応に憤るツイートをしていました。最終的に別のショップで問題なく解約できたため、事なきを得たようですが、一般論として、死んだ人の契約関係はどうなるのでしょうか。契約した人が死んだ時点で、消えてしまうのでしょうか。それとも、お金や土地のように、遺族に相続されたりするのでしょうか。

 

回答

まず、一般論として、相続においては権利(債権)のみならず義務(債務)についても相続がなされます。契約関係も基本的には相続の対象になる、とお考え下さい。もっとも、契約の内容によっては相続の対象とならないものもあります。法律上は、亡くなられた方の一身専属的な権利義務については承継されないものとされています。例えば、明文があるものとして、委任契約における当事者の死亡や使用貸借契約における借主の死亡などがあります(※ただし、これらにも例外があります。)。 ただ、亡くなられた方の一身専属性については法律の明文上、不明なものも多く、これらは解釈によって判断せざるを得ません。携帯電話などの継続的利用契約については、相続の対象になる可能性が高いと思われますが(なお、既発生の利用料金については、通常の金銭債務ですので、理屈の上では相続の対象になります。)、現実には、解約するにせよ承継するにせよ、利用者死亡の場合の手続が決められているのが普通ですので、あまり心配はされずに、必要な手続を確認の上、行なって頂ければよいかと思います。ただ、対応する窓口の方が手続を理解していないケースはかなりあろうかと思います。このような場合、本社の担当部署に連絡をとってもらうなど、臨機応変な対応を求めることは考えてもよいでしょう。